さまざまな薬礼
医薬分業が常識となった21世紀の今日でも、山添村には調剤薬局がないために、野村医院ではいまだに院内処方を継続しています。
そうです、明治30年の開院以来、ずっと120余年間、院内処方です。
薬礼とは、薬の飲み方、使い方を説明したものです。
現代では、あまり使わない言葉でしょうけれど、オールドクリニックには、何種類ものそれぞれの時代の薬礼が、遺されています。
今回は、そんな薬礼を紹介させていただきます。
①内服薬用
②外用薬用
③点眼用
天秤を用いて粉末のお薬を調合し、それをふたたび均等に分けて、こぼれない様に小さな正方形の紙に器用に包んで、患者さんにお渡しする。患者さんは、その包み紙を開いて、そのまま口に流し込むようにして服用する。。。
昭和40年代まで、そういうお薬の処方が普通だったと思います。
私は、もくもくと薬を調合して、紙に包んでいく父と母の姿を覚えています。本当によく動く両親の手でした。
薬袋があれば、このような薬礼は不要なはずである。ということは、このような薬礼を用いていた時代には薬袋はなかったのでしょうか?
分からないことばかりです。
①内服薬用の薬礼
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左上)大正時代の薬礼
下二つ)昭和・戦前の薬礼
②外用薬の薬礼
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中&下)昭和・戦前の薬礼
③点眼薬の薬礼
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中&下)時代不詳であるが、かなり古い物と推測します。
☆☆☆
今日の話はここまでです。
オールドクリニックに遺されている古い医療道具や薬品に興味を持ってくださり、
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
まだまだ話は続きますので、どうぞお楽しみに!
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